2013年2月19日火曜日

「この川で20分間泳いだら、賞金300万円!」:環境保護局長に挑戦状



●16日、中国浙江省のある企業家が故郷の温州市の川のあまりの汚さに憤慨。同市の環境保護局長に対し「この川で20分間泳いだら20万元贈呈する」とマイクロブログで呼びかけた。写真は汚染が深刻な同市の川。



レコードチャイナ 配信日時:2013年2月19日 12時23分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69544&type=0

「この汚い川で泳いだら賞金300万円!」企業家が環境保護局長に挑戦状送る―浙江省温州市

 2013年2月16日、中国浙江省杭州市の毛源昌眼鏡有限公司の金増敏(ジン・ザンミン)社長はマイクロブログに
 「浙江省温州市瑞安仙降街道にある川の工業汚染はひどすぎる。
 もし環境保護局長がこの川で20分間泳ぐことができたら、20万元(約300万円)を差し上げる」
と書き込んだ。17日付で中国新聞社が伝えた。

 金社長は問題の川の写真も掲載。
 その水面はおびただしい数のプラスチックごみで覆われ、旧正月の装飾用の大きな赤い提灯もいくつか確認できる。
 また、不気味な白い液体が流れているのがわかる。

 金社長はこの川の側で生まれ育った。
 子供の頃はこの川でよく泳いだという。
 当時の住民はこの川で洗濯し、野菜を洗っていた。
 また、この川は道路の充分発達していない当時は重要な交通網でもあった。
 「今ではこの川に近づいただけで強烈な臭気に襲われる。
 近くのゴム靴工場から出る廃液がこの川に流れ込み、大量のプラスチックごみも投棄されている」
と金社長。
 以前、ゴム靴工場の経営者に金社長が直接聞いたところ、
 「汚水や廃水は何の処理もせずに川に流している」
と答えたという。
 金社長によれば、この川が流れる金光村は人口1000人程度の小さな農村。
 しかし、昨年1年間で、がんが原因で亡くなった村民は 17人に上っている。

 金社長から挑戦状をたたきつけられた形の温州市瑞安市環境保護局の包振明(バオ・ジェンミン)局長は、
 「あの川は確かに汚染されているが、浮かんでいるのは生活ごみで、工業ごみではない。
 近くにある工場で働く労働者が出す生活汚水が汚染に拍車をかけている原因の1つ」
と回答。
 問題の解決には近隣住民の協力が不可欠だと強調すると同時に、ごみ回収場や汚水処理場の建設が終わったことから、3年以内に汚水処理システムを整備する予定だと伝えた。
 温州市瑞安市環境保護局も問題の川の調査に乗りだしているという。




IB Times 2013年2月20日 06時42分 更新 記者: MICHELLE FLORCRUZ
http://jp.ibtimes.com/articles/40794/20130220/570230.htm

中国ネチズンが中国版ツイッター「ウェイボー」で環境汚染を警告

●ウェイボーでのキャンペーンに応じて2013年2月に撮影された中国の汚染された川。

 日本では、中国から飛来する微小粒子状物質「PM2.5」による大気汚染が問題となっている。
 石原伸晃環境相は19日の閣議後の会見で、この大気汚染問題について、住民に注意喚起するための暫定的な指針を27日の専門家会合で取りまとめると明らかにした。

 一方、中国のネチズンは水質汚染問題に警告を発している。

 中国のインターネットユーザーが、山東省維坊市(Weifang)の工場を非難し始めた。
 有害廃棄物を注ぎ込んで、近隣地域の地下水源に悪影響を与えているというのだ。
 山東省は中国の東部沿海にあり、黄河の下流に位置する。
 孔子と孟子の出身地で儒教の発祥地でもある。

 人民日報の傘下でウェブサイトの英字新聞であるグローバルタイムズ紙は、水質汚染への抗議に対して、地元の工場が行っている違法な工場排水の垂れ流しについて情報を寄せた人に、山東省政府当局が最大10万元(約150万円)の高額な報酬を提供すると報じている。
 だが政府当局の対応だけでは問題解決には至っていない。

 党中央委員会の広報担当者パン・ユージエ氏(Pan Yuejie)は、この週末に715社で調査が行われたが、そのすべてがインターネット上の主張は偽りであることを証明したと述べた。
 パン氏は
 「私たちは、これらの工場を監視するために24時間対応のシステムを持っている。
 違反が発生した場合は直ちに発見できる」
とグローバルタイムズ紙のレポートで述べている。

 しかし、この意見を信じる人はいない。
 ネット上での意見が契機になり、ネット上で新たなキャンペーンが開始された。

 中国の環境活動家デン・フェイ氏(Deng Fei)は、ウェイボー(新浪微博 Sina Weibo)で、中国の春節の休暇中に故郷の湖や河川の写真を撮るように呼びかけた。
 ウェイボーはツイッター(Twitter)に似た中国のソーシャルメディアサイトで現在、中国で急成長している。

 春節は中華圏では最も盛大な祝祭日である。2013年の春節は(2月9日~15日)、2月9日(土曜)が除夕(日本でいうと12月31日)で、2月10日が正月初一(1日)であった。

 フェイ氏はこの種の事例は他にも多くあり、維坊市だけではないと推測しており、
 「故郷の川はどんな状態だろう? 
 休暇で家にいる間に故郷の川や湖の写真を撮って、誰でも見られるウェイボーにアップロードして欲しい」
とウェイボーに投稿した。

 そして、フェイ氏の推測を確信に変えた写真が集まった。
 「山東省の地下水が汚染されているというウェブユーザーからの情報を受け取った。
 怒りがこみあげた。
 だから私はネット上でキャンペーンを開始した。
 しかし、この呼びかけを開始した後、中国北部や東部といった多くの地域から、故郷は汚染されているという同様の悲痛な声が届いて驚いた」
とフェイ氏はグローバルタイムズ紙のインタビューに答えた。
写真を拡大する

 あるウェイボーユーザーは、地元住民は明らかに水質汚染の影響を受けているとグローバルタイムズ紙に語った。
 「子どもに突然、赤い発疹が現われた。
 ガンの発生率が、山東省洛南市章丘(Zhangqiu)で急増している。
 しかし村人はペットボトルの水を飲めるほど金持ちではない。
 しかも彼らは、汚染がどの程度深刻なものか十分に認識していない」
とウェイボーユーザーは語った。

 中国政府は水質汚染問題に取り組んでいる。
 2015年までの10年計画を発表しているが、多くの国民は政府の取り組みに不満を感じている。

 浙江省、杭州の起業家ジン・ツオンミン氏(Jin Zengmin)は、地元政府が水質汚染に無関心であることを不満に思っていた。
 彼はウェイボーで
 「環境保護支局長が20分間、浙江省瑞安の汚染された川で泳げたら、私は局長に20万元(約300万円)を支払ってもよい」
と、問題になっている川の写真とともに投稿した。

 ツオンミン氏は、かつて瑞安の川は地元の村人により衣服や野菜の洗浄に使用されていたと、チャイナニュース (Chinanews.com)に語った。
 上海を活動拠点とするニュース・ブログのシャンハイスト(Shanghaiist)は、瑞安の汚染された川の写真を「動くごみの山」と報じた。

 地元政府の環境保護支局長バオ・チェミン氏(Bao Zhemin)は、川は明らかに汚染されていると認めた。
 しかし同氏は、環境保護局は工業ゴミの処理に対して責任を負うが、この川の汚染物は生活ゴミに属するため、法律上、職責はないと回答したという。
 地域の人口増加が川にゴミが溢れた原因であるとしている。
 「地域の人口増加が汚染の主な理由だ。
 人口が地域環境の限度を超えて増加している」
とチェミン氏はチャイナニュースで述べた。
 チェミン氏によると、中国各地から何百万人もの出稼ぎ労働者がこの地域に来ているため、廃棄物の量もそれに乗じて大量に増加しているという。

 この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。



ロイター 2013年 02月 21日 13:13 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91K01S20130221/

アングル:深刻化する中国水質汚染、巨額の浄化費用も水の泡

[北京 21日 ロイター] 
 深刻化する中国の大気汚染。
 その一方で、同国では水質汚染も深刻さを増しており、政府は向こう
 10年間で8500億ドル(約80兆円)を投じて、水質改善に取り組む姿勢を示している
が、その巨額投資も効果は薄いとみられている。

 ロイターが入手した資料によると、
 中国政府は地方の水質改善プロジェクトに2011─20年の10年間で総額4兆人民元(約60兆円)の投資を約束。
 これは、世界経済危機の対策として出された景気刺激策の規模に匹敵する。
 さらに、中国全土のさまざまな浄化プロジェクトに少なくとも2000億ドルを用意した。

 新たな投資は必要不可欠だ。
 中国の河川や湖では、化学肥料の流出で藻が大量に発生しているほか、化学物質によって泡立ち、未処理の汚水が排出されている。
 政府のこれまでの記録から判断すると、最終的な浄化費用はその何倍も必要になってくる可能性がある。

 2010年までの5年間、中国は水インフラに7000億人民元を投じてきたが、依然として同国の水のほとんどが飲用できない。
 また中国環境保護省は、11年にモニタリングした地点の43%で、人間の接触にも適さない水があるとしている。

 南京大学の研究員、Zhou Lei氏は
 「汚染対策に巨額の費用を投じているのにもかかわらず、成果が乏しいのは、誤った都市化モデルに従っているからだ」
と指摘する。

 中国政府は拡大するエネルギー・農業需要に対応するため、年間の水不足量50BCM(BCM=10億立方メートル)の確保に取り組んでいる。
 ただ、公開されている資料を精査すると、環境面に関する熱意は乏しい。

 同時に政府は、急成長がもたらす環境問題への対応を求める圧力にさらされている。
 1月に北部の都市を覆った大気汚染によって国民の怒りは増しており、政府に水質改善にも取り組むよう訴える声が、インターネット上で広がっている。

 Zhou氏は巨額の対策費用について、汚染の未然防止よりもむしろ、汚染処理に重きが置かれていると説明。
 産業の発達が優先され、汚染は新たなビジネスチャンスだと捉えられていると語った。

 同氏は地元政府が水処理企業に提示する契約に言及。
 「彼らはいつも、環境劣化を経済的な問題にする。
 中国は汚染を資源としても利用し、新たに富を蓄積する手段として、環境劣化に対応する機会を利用している」
と話した。

 10年間の地方プロジェクトに加えて、中国は昨年、水資源の保護に2500億人民元を投じる方針を表明。
 さらに、小中規模の河川の処理に向こう2年で1300億人民元を充てた。

 また、地方政府の投資額も膨らんでいる。
 南西部雲南省の湖「テン池」の水質の「明らかな改善」に向け、3年間で310億人民元を投じる計画もある。
 2007年に藻やシアノバクテリア(藍色細菌)が大量発生した東部「太湖」の対策には、5年間で700億人民元が充てられ、さらなる投資が見込まれている。



 地方政府の公式サイトなどによると、両湖の浄化プロジェクトは、
 「人間の接触不可」を意味する「グレード5」から
 「工業利用のみ」の「グレード4」への改善を目指す。

 人口は英国の20倍だが、水の供給量は英国と変わらない中国にとっては、このようなわずかな改善も重要になってくるかもしれない。

 中国国土資源省のデータによると、1人当たりの水供給量は2100立法メートルで、世界平均の28%。
 政府は2030年までに年間水使用量の上限を700BCMに設定する方針だが、現在の年間使用量は約600BCMで供給量の大幅増が必要だ。

 環境団体「中国水務危機」の代表、Debra Tan氏は
 「水供給の増加には、農業にも使えないグレード5の水を除去することが必要になってくる」
とし、
 「グレード4の水では泳ぐのも安全ではないが、少なくとも利用は可能だ」
と述べた。

(原文執筆:David Stanway記者、翻訳:野村宏之、編集:宮井伸明)


 「触れてはいけない水」、それを、「グレード5」という。
 はじめて聞く基準だが?
 「環境を守ろう」
という意識はないようだ。
 「汚染はビジネスチャンス」
という中国人特有の拝金思想が環境を守るらしい。
 ということは、やはりこの国では
 「汚職と汚染」
は政体が自壊するまで、在り続けるということのようである。



ロイター 2013年 03月 11日 15:59 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92A04620130311

<代償伴う異議申し立て>
 中国政府への異議申し立ては時に代償を伴う

 東部の浙江省の村で農業を営むChen Yuqianさん(60)は、約10年間にわたって土壌・水質汚染に抗議の声を上げてきた。
 この間、地元当局者の責任を追及してきたChenさんは、5回殴られたと打ち明けた。

 2月20日、Chenさんは中国版ツイッター「微博」で、
 汚染した川を泳げば30万人民元(約460万円)の報酬を地元当局者に与えると挑戦状をたたきつけた。
 Chenさんによると、
 その4日後、棒や岩などを手にした十数人が自宅に押し入り、物を壊していったという。

 Chenさんは
 「彼らは私に異議申し立てをやめさせ、汚染情報をこれ以上流させないために脅している」
と語気を強めた。

 Chenさんが住む村を管轄する地域の共産党書記は、ロイターの電話取材に襲撃犯との関連はないとし、襲撃事件は隣人との土地トラブルに関連していると主張した。

(原文執筆:Sui-Lee Wee記者、Adam Jourdan記者、翻訳:野村宏之、編集:梅川崇)





【中国海軍射撃用レーダー照射】


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